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海と街をつなぐプロギング in 平塚
― 湘南の海辺を支える風景を見つける ―




















湘南の海辺を支えるインフラの話
2026年5月、インフラ・ミライ・プロジェクトは神奈川県平塚市で2回目となるプロギングイベントを開催しました。(1回目のレポートはこちら)
今回の舞台となった平塚市は、事務局を務める三菱ケミカルインフラテック株式会社の平塚事業所がある街です。受水槽(ヒシタンク™)の製造や製品の研究開発を行う拠点でもあり、今回は平塚勤務の社員やご家族も多く参加しました。子どもたちも加わり、にぎやかな雰囲気の中でスタートしました。
今回のコースは平塚駅周辺から海岸エリアへ向かい、「湘南海岸砂防林」や湘南ベルマーレひらつかビーチパークの「ヘッドランド」を巡る約5kmのルート。海と街、その両方を走りながら普段は意識しにくいインフラや環境に目を向けるプロギングとなりました。
プロギングとは?
― ジョギング×ごみ拾いの新しい体験 ―
プロギングは、スウェーデン発祥の「ジョギング」と「ごみ拾い」を組み合わせたエコフィットネスです。走ることで体を動かしながら、ごみを拾って街をきれいにする。体を動かす爽快感、街をきれいにする達成感、仲間と声を掛け合う一体感——。自然と社会貢献につながる活動として、世界各地で広がっています。
湘南海岸砂防林
― 景色をつくり街を守る「みどりのインフラ」―
海へ向かう途中、防砂林の木陰に入ると、強い日差しと風が少しやわらぎます。海沿いに続く松林は湘南らしい景色のひとつ。しかし実は、この「湘南海岸砂防林」は景観だけでなく、飛砂や潮風からまちを守る役割を持ったインフラでもあるのです。
湘南海岸の砂は粒子が細かく、特に冬場は強い風で砂が飛ばされやすいと言われています。そのため、この松林は風をやわらげ、道路や市街地へ砂が飛ぶのを防ぐ役割を担っています。普段は自然の風景として見ている場所ですが、実は維持管理が続けられている“守られた風景”でもあります。
松も生き物である以上、枯れたり弱ったりします。そのため、間伐や植え替え、害虫対策などが継続的に行われています。道路や橋だけでなく、自然を活かしたインフラも人の手で守り続けられているのです。
砂浜でのプロギングと、見えてくる変化
防砂林を抜けると、目の前には湘南の海が広がります。ここからは砂浜でのプロギングです。
一見きれいに見える砂浜にも、海洋プラスチックなどごみが点在しています。この平塚の海岸には、かつて「平塚砂丘」と呼ばれる広がりのある地形が存在していました。波や風によって運ばれた砂が積み重なり、自然の防波堤のような役割を果たしていたとも言われています。
しかし現在では砂浜は少しずつ痩せてきています。変わらないように見える海辺の風景も、長い時間の中で少しずつ変化しているのです。
ヘッドランドと養浜
―“砂浜を守る”というメンテナンス―
砂浜を進み、湘南ベルマーレひらつかビーチパークのヘッドランドへ。平塚海岸では、海岸侵食への対策として、さまざまな取り組みが行われています。そのひとつが、海へ突き出した構造物「ヘッドランド」です。
ヘッドランドには、波や砂の流れをコントロールし、砂浜が減りにくくなるようにする役割があります。さらに、神奈川県では「養浜(ようひん)」と呼ばれる、砂を補う取り組みも行われています。つまり、この砂浜は自然だけに任せるのではなく、人の手も加わりながら維持されているのです。
ここで参加者へこんなクイズを出しました。
「ヘッドランドは何のためにあると思いますか?」
すると、参加してくれた6歳の男の子が元気よく、
「世界を広くするため!」と答えてくれました。
ヘッドランドや養浜は、砂浜を維持するための取り組みです。砂浜が守られることで、人が遊び、過ごせる場所も守られていく。子どもの自由な言葉が、海岸インフラの役割をまっすぐ表しているようにも感じられました。
道路や橋の補修は想像しやすくても、砂浜にも守るための工夫があることは、普段あまり意識しません。自然のままに見える海辺も、多くの人の手や工夫によってその風景が支えられていました。
拾うことで見えてくる未来
海と街、その両方を駆け抜けた今回のプロギング。
橋や道路のようなわかりやすいインフラだけでなく、防砂林や砂浜の維持といった、自然と共に守られているインフラにも触れることができました。
普段は意識しない海辺や街の風景も、実は多くの人の手によって支えられています。ごみを拾いながら見えてきたのは、そんな日常の裏側でした。
走って、拾って、気づく。
その一歩一歩が、未来のまちを見つめ直す時間になっていきます。
インフラ・ミライ・プロジェクトの挑戦は、これからも続きます。

