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走って、拾って、気づく。
街のインフラとつながる「プロギング」体験




















街とつながる、朝のひととき
澄んだ空気の中、日比谷公園に笑い声が響きます。ごみ袋と軍手を手に、参加者たちは軽やかに走り出しました。この日、インフラ・ミライ・プロジェクトとして初めてのリアルイベント「プロギング」を開催。街をきれいにしながら、体を動かし、街のインフラに触れる特別な一日です。
プロジェクトの事務局である三菱ケミカルインフラテックの社員を中心に、多世代が集まりました。4歳の子どもたちも小さな手でゴミを拾い、元気いっぱいに参加。温かな雰囲気の中でスタートしました。
プロギングとは?
ジョギング×ごみ拾いの新しい体験
プロギングはスウェーデン発祥の「ジョギング」と「ごみ拾い」を組み合わせたエコフィットネス。走ることで体を鍛えながら、ごみを拾うことで街をきれいにする活動です。体を動かす爽快感、街をきれいにする達成感、仲間と笑い合う一体感——。気づけば自然と社会貢献につながる、この活動ならではの循環が生まれます。
今回のイベントは、一般社団法人プロギングジャパンが掲げる「ポジティブな力で足元から世界を変える」という考え方に共感して実施しました。
プロギングは楽しさを入り口に、誰もが無理なく一歩を踏み出せる取り組みです。
日比谷公園から芝公園へ、
街を感じる3.7km
コースは日比谷公園をスタートし、芝公園までの約3.7km。都心の緑豊かな公園をつなぐルートです。最終的に集めたごみは合計で2.7kg。参加者全員で街をきれいにできた喜びを共有しました。
日本水準原点
— 日本の“高さの基準”を感じる
コースの途中で立ち寄ったのが、日本の標高の基準となる「日本水準原点」。ひっそりと建つ小さな石造りの建物の中に、実は日本全国の高さの物差しが収められています。
建物の前に参加者が集まり、ここで少し足を止めてインフラの話をする時間を設けました。その冒頭に投げかけられたのが、こんな問いです
「突然ですがみなさん、“高さの基準”ってどうやって決めているか知っていますか? 例えば富士山の高さは3,776mですが、“0メートル”はどこでしょう?
その答えがこの場所なんです!」
標高は東京湾の平均海面を 0m として決められますが、実際には地上のどこかに“基準点”を置いておく必要があります。そのため 1891 年、この場所に高さの基準となる「水準原点」がつくられました。
ここで決められた高さは、道路、ダム、鉄道、橋、トンネル、上下水道……
あらゆるインフラの測量の出発点として全国に広がっていきます。
建物はレンガ造りの小さな八角形で、100年以上前のものですが、地震や温度変化にも耐える工夫が凝らされています。設計したのは明治時代の建築家・佐立七次郎さん。長年日本の高さを支えてきた功績により、この建物と原点は国の重要文化財に指定されています。
参加者は建物を覗き込み、普段は気づかない「日本の高さを支える仕組み」がすぐそばにあることを体感しました。
街を感じ、体を動かす楽しさ
参加者はごみを拾いながらそれぞれのペースで街を進みます。運動としても、社会貢献としても、街を観察しながら走る楽しさを感じられるひとときです。プロジェクトロゴ入りのジャンパーを揃えて、仲間と一緒に活動することで、温かい一体感も生まれました。
12月6日、
インフラ・ミライデーに向けて
「インフラ・ミライデー」として制定された12月6日。この日は、日常生活の中でふと立ち止まり、街のインフラや未来を考えるきっかけになることを目指しています。今回のプロギングイベントを通じて、参加者が街とインフラの関係を感じ、12月6日を楽しみに待つ気持ちが生まれていたら嬉しく思います。
次のステップへ
今後は、インフラ・ミライ・プロジェクトに共感いただける方々を「インフラ・ミライ・サポーター」として迎え、不定期でプロギングを開催予定です。季節や地域を変えて、さまざまな街のインフラに出会う機会をつくり、街と人をつなぐ活動を広げていきます。
終わりに
インフラは、日常のすぐそばにあります。道路、水道、電気、測量の基準点──。そのどれもが、静かに私たちの暮らしを支えています。体を動かし、街をきれいにし、街の歴史や仕組みに触れる。楽しさと学びを両立できるこの活動は、未来のインフラとの関わり方を考える小さなヒントになることでしょう。
次回は、あなたの街で。
走って、拾って、気づく。
インフラ・ミライ・プロジェクトの挑戦は、これからも続きます。

