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インフラメンテナンス国民会議と考える
わたしたちの暮らしとインフラのミライ




















社会インフラテック展2025 取材レポート
道路、橋、下水道――。
私たちの暮らしを支えるインフラは、普段あまり意識されることがありません。
でももし、いつも通る道が使えなくなったら?
蛇口から水が出なくなったら?
そんな「もしも」を自分ごととして考えるきっかけをくれたのが、2025年12月に東京ビッグサイトで開催されたインフラ維持管理・老朽化対策総合展 社会インフラテック2025でした。
インフラ・ミライ・プロジェクトでは、会場内のインフラメンテナンス国民会議パビリオンを取材しました。
インフラの話を、もっと身近に
インフラメンテナンス国民会議は、産学官民が連携し、社会全体でインフラを守り次の世代へつないでいくためのプラットフォームです。
2016年に設立され、今年で10年目を迎えました。
社会インフラテック展への出展も平成30年から継続して行われています。
インフラメンテナンス国民会議事務局(国土交通省)の飯島さんは、こう話します。
「一番の目的は、とにかく知ってもらうこと。特に一般の市民の方に、インフラメンテナンスを身近に感じてもらいたいんです」
難しい専門知識を伝えるよりも、まずは「気づく」「知る」ことから。
それが、このパビリオン全体に共通するメッセージでした。
パビリオンだからこそ生まれるつながり
今回の出展は、インフラメンテナンス国民会議パビリオンという形で構成されていました。会場内には国民会議の会員によるミニブースが並び、あわせてセミナーの開催や、来場者との商談、ビジネスマッチングも活発に行われていました。
さらに、自治体関係者や土木・建築を学ぶ学生の姿も。
企業、行政、学生、市民が同じ空間でインフラについて語り合う様子は、「社会全体で支えるインフラ」という考え方をそのまま形にしたようでした。
触ってわかる「インフラリスクマップ」
ブースの中でもひときわ多くの人が足を止めていたのが「インフラリスクマップ」です。
タッチパネルを操作しながら、インフラの老朽化リスクや維持管理の状況を直感的に見ることができます。
「インフラのリスクを、難しい言葉じゃなくて感覚的に知ってもらいたいんです」(飯島さん)
ダムや道路、橋などのインフラをタッチすると、老朽化によって起こり得るリスクが写真とともに画面に現れます。
もし、このインフラが機能しなくなったら――。
そんな“もしも”を自然と考えさせてくれる展示でした。
インフラを「自分ごと」にする第一歩
インフラメンテナンス国民会議が大切にしているのは、インフラを人任せにしないこと。
「例えば、家の前の道路が壊れていたら、管理している自治体に伝えるだけでも立派な関わり方です」(飯島さん)
インフラについて知ること。
リスクがあることに気づくこと。
家族や身近な人と話題にしてみること。
それだけでも、インフラのミライを支える一歩になるのです。
「群マネ」という、インフラの新しい考え方
ブースでは「群マネ」という考え方も紹介されていました。
群マネとは、道路や橋、水道などをバラバラに管理するのではなく、地域全体のインフラをひとつのまとまり(群)として捉え、将来を見据えてまとめて考えていく方法です。
会場には、国土交通省が発行した『群マネ 入門超百科(群マネの手引きVer.1)』という冊子も並び、来場者に配布されていました。
会期中、配布用に用意されていた冊子は想定以上の反響を呼び、3日間のうちに追加が必要になるほど多くの来場者が手に取られていました。
技術と地域をつなぐ場所として
インフラメンテナンス国民会議は、市民への情報発信だけでなく、新しい技術と自治体をつなぐ役割も担っています。
インフラをどう守るか。
どうすれば無理なく続けていけるか。
そんな問いに向き合う中で、インフラ・ミライ・プロジェクト事務局である三菱ケミカルインフラテックも企業会員として国民会議に参画し、技術と現場をつなぐ取り組みに関わっています。
インフラ・ミライ・プロジェクトの取り組み紹介
同会場では、三菱ケミカルインフラテックのブースでもインフラ・ミライ・プロジェクトの取り組みを紹介。
リーフレットの配布を通じて、インフラの未来を一緒に考える「インフラ・ミライ・サポーター」の募集や仲間づくりの呼びかけを行いました。
ブース壁面にも大きくイラストを掲示し、初めて訪れた来場者にもやわらかく親しみやすい雰囲気でプロジェクトの世界観を伝えました。
12月6日の「インフラ・ミライデー」が近い時期だったこともあり、ブースにはちょっとした仕掛けも用意していました。
全国の高専生が地域のインフラ課題に挑むアイデアコンテスト【インフラテクコン】のブースで行われていたわくわくクイズラリーでは、
「毎年12月6日は、未来のインフラをみんなで考える特別な日。何という日でしょう?」
というクイズを出題。
来場者はブース内に掲示されたインフラ・ミライデーのイラストを探しながら答えを見つけ、「こんな記念日があるんだね」と話す姿も見られました。
インフラ・ミライデーという名前を初めて知った人にとっても、未来のインフラを考えるきっかけとなる時間でした。
インフラのミライは、今日の「気づき」から
インフラの課題は、大きくて難しそうに見えるかもしれません。
けれど今回の展示で伝わってきたのは、その入口は思っているよりずっと身近だということでした。
タッチパネルに触れて、インフラが老朽化したときに起こり得るリスクを知る。
そして、「もしも」を自分の暮らしに重ねて考えてみる。
インフラメンテナンス国民会議パビリオンは、そんな小さな気づきが生まれる場所でした。

